因果な商売だと思う。
生き物を切ってさばいて食べさせるという、私の生業のことだ。
それにつけても不思議なのは、なぜ、かつては、同じ生き物なのに、肉を扱う者は蔑まれ、魚を扱うものは宗教家と同じような白装束なんかつけちゃって、刀を振るうパフォーマンスなんかする権利を与えられたのか。そこんとこ。
切って出て来る血の色は同じだ。 赤い。
間違ってドジにも切ってしまった自分の指から出てくるのも同じ色。
私は動物として生きてる。
人間って、食連鎖の頂点にいるものだから、中々自分が食べられるという目には合わない。
時々はあるけど。こないだは、3人の男たちが一人の女を殺しておっぱい食べるって芝居を観たばかり。
だから、山に迷い込んで野犬に食べられちゃったおばあさんとか、あるにはあるんだけど、めったにない。
食べるために飼育されてる牛とか豚とか、の、確率からいったら全然低い。
だから、私たちは他の動物に食べられることなく、他の生き物を食べて生きている。
もう、それだけで、美味しい、不味い、言っちゃいけない気になる。
何か破片でも残しちゃいけない気になる。
だから、私のような職業があるんだなって、私は思う。
出来るだけ、全部使って、出来るだけ美味しく作って、出来るだけ全部食べてもらう。
残さずに。全部。
そして、私はいつも、食べた人が明日も健やかに生きていってくれるように願うんだな。
これが私の職業だ。
長くなるので続く。。。。。。
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